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児童向けながら大人でも楽しめるミステリーといった宣伝文句で本屋に平積みされていた『神様ゲーム』。

猫が立て続けに殺される事件が発生。小学生たちで結成された探偵団が捜査を始める。ある日、クラスメイトの一人が犯人を知っていると言う。真相を確かめようとするが、やがて人の死体を発見し、事件は思わぬ方向へ…という話。

軽い気持ちで読んでみたら、全然軽くなかった笑。読み終えた率直な感想は、これは自分が親なら子どもには読ませたくないな、です。トラウマになりそう。イヤミスとも言えますが、本格的なミステリーとも違って、あまり深く考えずに読んだほうが楽しめると思います(理解できない点がいろいろあるので)。

麻耶雄嵩(まや ゆたか)さんの作品は初めて読みましたが、癖のある作風で知られているそうです。

それはさておき、面白いのは面白いです。何より、"神様"が登場するのが斬新でいい。神様が言うことはすべて真実なので(本書の英題は God's Truth)、神様が「犯人は◯◯だよ。」と言えば、犯人はその人なんです。

なので、仮設を立てて推理するのではなく、真実ありきで逆算して考えるという読み方が新鮮。とはいえ、突っ込みどころがいろいろあるので、「なるほどな!」「そういうことか!」といった感動はなく、「え、どういうこと?」「なんでそうなるの?」という謎が残る感じでしょうか。

そういう意味で、深く考えずに読んだほうが雰囲気を楽しめて面白いと思います。タイトルにあるとおり「神様ゲーム」を楽しめるかどうか。


珍しく1日で読み切ってしまい、さらにその勢いで続編の『さよなら神様』も購入してしまいましたよ。