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金田一少年の事件簿最狂のシリアルキラー、地獄の傀儡師が初登場する『魔術列車殺人事件』。

ある日、警視庁に "地獄の傀儡師" と名乗る者から脅迫状が届く。捜査協力を求められた金田一は、剣持警部等とともに北海道へ行く。列車の中で、「幻想魔術団」の団長が殺され、死体が消える。金田一は地獄の傀儡師の正体を暴くことができるのか…という話。

事件の詳細は覚えていなかったので、トリックはさっぱりわかりませんでしたが、さすがに高遠遙一や近宮玲子のことは覚えているので、最初から犯人や動機を知った上で読みました。

とにかく、人を欺くことに快楽を覚えるという高遠遙一のキャラが立っているので面白い。正体を暴かれてからガラッと雰囲気が変わるのが印象的。凶悪なシリアルキラーですが、天才マジシャンという設定も好みで憎めないキャラクターです。

解決編はそれほどスッキリせず後味の悪さが残りますが、エピローグがすごい。近宮玲子の仕掛けた罠と、それを一瞬で見抜いていた高遠遙一。そして地獄の傀儡師のショーがまだまだ続くことを予感させる終わり方。連載当時のことをさっぱり覚えていないのが悔やまれますが、予備知識ゼロでこれを読んでいるとめちゃくちゃ興奮したはず。

地獄の傀儡師が登場する事件

魔術列車殺人事件の他に(後に)、地獄の傀儡師が登場する事件を調べてみました。
  • 速水玲香誘拐殺人事件(File19)
  • 露西亜人形殺人事件(File24)
  • 金田一少年の決死行(File26)
  • 獄門塾殺人事件(File29)
  • 黒魔術殺人事件(File31)
  • 剣持警部の殺人(File32)
文庫版のFileシリーズだけでもこれだけあるようです。出すぎですね笑。こつこつKindle版で読んでみます。

高遠少年の事件簿

少し前に『高遠少年の事件簿』も読みました。舞台が日本の高校で、イギリスから帰ってきた設定になっているので、『魔術列車殺人事件』で語られている高遠遙一の経歴とは少し異なるようです。

魔術列車では、17歳のときに近宮玲子の息子であることを知ったと書いてあるので、高遠少年のときはまだその事実は知らないっぽいですね。地獄の傀儡師のルーツというか、高遠遙一の初めての殺人が描かれているので、それなりに楽しめました。高遠遙一が事件の謎解きをしているのも新鮮です。