udenuki-tantei2

市役所の安楽椅子探偵こと、腕貫探偵シリーズ2作目『腕貫探偵、残業中』を読みました。どこか物足りなさを感じていた前作とは打って変わって、腕貫探偵に人間味が出ていて、面白さが増していました。

今回は"残業中"ということで、腕貫探偵のプライベートな時間に相談が持ちかけられます。そのため、腕貫探偵がかなりのグルメであることがわかったり、意外と付き合いがいい(単に律儀なだけかも)面があったり、2作目にして距離感が近づいた気がします。

安楽椅子探偵ぶりは相変わらずというか、ますます磨きがかかっていますが、前作ほど唐突な感じではなく、提示された情報を端的にまとめてくれている感じなので、その点でも取っ付きにくさが緩和されていました。ただし、1話目の「体験の後」は唐突過ぎて笑いました。

おすすめは「青い空が落ちる」と「人生、いろいろ」。「青い空が落ちる」では、"趣味"についての定義が興味深く描かれていて、「人生、いろいろ」はオチが面白かった。

他の話もよかったですが、何より腕貫探偵に人間味が出てきたことが嬉しくてよかったので、続編も読んでみます!