鉄腕アトムが生まれる前、天馬博士とお茶の水博士の学生時代を描く『アトム ザ・ビギニング』。既刊の5巻まで読みました。アニメの放映も始まりましたね。
正直、鉄腕アトムに関して全然詳しくないのですが、『アトム ザ・ビギニング』のKindle版 1巻が無料だったので読んでみたら、登場するロボットのA106(シックス)が良くてハマった感じです。
天馬博士とお茶の水博士の、ロボットに対する考え方の違いから来る衝突も面白いですが、「ベヴストザイン」(自律型AI)を搭載して自我が芽生えていくシックスの成長物語がいい。
4〜5巻では、アトムの妹がモチーフのA107(ユウラン)も登場してますます面白くなってきました。今まで、アトム関連の漫画(プルートゥとか)は最後まで読んだ試しがなかったのですが、これは読み続けられそうで楽しみ。
「ロボット(または人工知能)に自我は必要なのか」「そもそも自我を構築することは可能なのか」は旬なテーマですが、怖さはありますね。この漫画でも描かれていますが、使う人次第で軍事用ロボットにもなれば、シックスのように「優しいロボット」にも成り得る。
それを人がコントロールできている内はまだしも、いずれロボット自信が人の手の届かないところで成長し、協力し、進化しだすとどうなるかわからない。実際、シックスやユウランも博士たちの想像しない(プログラムしていない)行動を取って行くので、そのあたりが今後どのように描かれるのかも注目です。
現実社会では、人とロボットが協力し合うようにはなるものの、人工知能に自我を構築することは実現されない(技術的にではなく)、という形に落ち着くんじゃないかなと思います。が、それは夢がないと言えばそうかもしれないですね。
いまSFにハマっているからというのもありますが、タイミング良くこの作品を知れてよかったです。