ようやく7巻が出て、"ひとまず"完結した三上延さんの『ビブリア古書堂の事件手帖』。本を読めない五浦くんが、古書店で働く栞子さんと出会い、いろんな事件に巻き込まれながら古書とそれにまつわる人々の秘密に触れていく話。
読みやすい文章と特徴のあるキャラクターが続々と出てくるので、飽きることなく読み進められます。ただし、事件の内容と人間関係はかなり複雑でドロドロしています。それがまた面白い。
どの巻もテーマになる古書(作家)が決まっていて、その古書(作家)に関してかなり詳しく調べられているので勉強にもなります。おすすめは江戸川乱歩がテーマの4巻と、シェークスピアがテーマの7巻。
江戸川乱歩の話を読んだ後、思わず『人間椅子』を買って読みました。ビブリア古書堂で紹介される本は不思議と読んでみたくなるので、小説という形の書評のようにも思えます。表紙から連想されるようなライトなミステリーでは終わりません。
巻末に記されている参考文献の多さからもわかるように、題材として扱う古書や作家について徹底的に調べられています。著者の本に対する情熱に感服です。