doctor-phantom

江戸川乱歩の少年探偵団シリーズ3作目となる『妖怪博士』。帯に書いてあるあらすじが興味をそそります。

奇妙な魔術師・蛭田博士、縛られた美少女、
突如現れたもう一人の探偵・殿村弘三ーー。
怪事件の坩堝(るつぼ)に明智が足を踏み入れるとき、
世にも美しい復讐劇の幕が上がる!

お会いできて光栄だよ、明智先生。

子供向けに書かれたシリーズということもあって、語り部(江戸川乱歩)による懇切丁寧な説明で大体の謎は読みながら解けてしまうのですが、ストーリーは3作品の中で一番よかったです。

ただ、怪しい人物 = 二十面相の変装 というパターンがずっと続くので途中で飽きてしまったのも事実。二十面相が少年探偵団に対しても本気だったのと、ついには人以外の物にも化け始めたのは面白かった。頭の良さや変装の技術は言うまでもなく、この執着心の強さがあってこそ二十面相が成り立っているんだなと思います。

少年探偵団シリーズは20冊以上あるそうですが、この新潮文庫のシリーズは『怪人二十面相』『少年探偵団』『妖怪博士』までの3冊で止まっているので、とりあえずここまでにします。次はまた別の江戸川乱歩作品(長編物)を読んでみたい。