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石川智健さんの『エウレカの確率 経済学捜査員 伏見真守』。

探偵役が行動経済学者のミステリー。プロファイリングを生業とする捜査官と、行動経済学者が推理対決をする構図の話。行動経済学の説明がわかりやすく、それだけでも楽しめます。

興味深いのは、探偵役の伏見真守が、事件の70%はプロファイリングで解決できて、残りの30%が行動経済学で解決できると言っているところ。すべての事件に適用できるわけじゃなく、あくまで"今回の事件"はその30%に該当する。そのために自分がいると言って動いているわけです。

学者なので頭が固いキャラなのかなと思いつつ、そういった割り切りができるところが好印象でした。

ただ、行動経済学と言えば聞こえはいいのですが、「誰が一番得をしたのか」をポイントに推理をする「クイボノ」とも取れるので、推理小説を読み慣れている人には物足りないのかなーとも感じました。(最近覚えた推理小説用語を使いたかっただけ笑)

伏見真守のキャラクターがいいので、とりあえず続編は読んでみたい。経済学探偵シリーズとして4作ほど出ているようです。あと、同じ著者の『60 tとfの境界線』も気になります。