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新しいタイプの本格ミステリーとして、今村昌弘さんの『屍人荘の殺人』を楽しんだ後、ふと本格ミステリーを読みたくなって、綾辻行人さんの『十角館の殺人』を読みました。

大学のミステリー研究会のメンバーが、孤島にある十角館を訪れる。そこは、半年前に建築家・中村青司が焼死した島でもあった。やがて十角館で起きる連続殺人事件、そして驚きの真相が…という話。

2, 3年前に読んだのは旧版だったので、今回は新装改訂版にしました。新装改訂版は文字が大きく読みやすく、何より "あの一行" がページをめくった先頭に来るように再編されているので、それだけでも新装改訂版を買った甲斐はありました。

はじめて読んだときも衝撃を受けて興奮しましたが、今回も鳥肌が立って、改めて本格ミステリーの面白さと、これ以上ないくらいに叙述トリックがハマった感覚を味わえて最高でした。

予備知識ゼロの状態で読んでももちろん面白いと思いますが、アガサ・クリスティーの名作『そして誰もいなくなった』を読んだことがあって、名探偵コナンが好きな方には最高だと思います。私のことです。


ちなみに、"本格ミステリー" とか "新本格ミステリー" といった言い方については詳しくありませんが、本格ミステリーといえば鮎川哲也氏や島田荘司氏(どちらも未読)が代表的で、綾辻行人氏は新本格ミステリーだそうです。

僕の中では、綾辻行人氏やS&Mシリーズの森博嗣氏が本格ミステリーで、今村昌弘氏のような作家さんが新本格ミステリーといった感じです。定義についてもちゃんと調べたわけではありませんが、僕の中では本格ミステリー = 密室+館+驚きの真相で、新本格ミステリー = 本格ミステリー + 奇をてらった何か という感じ。まあ、そんなことはどうでもいいんですが笑。

本作のあとがきを読んで、ミステリー界の系譜というか、流れのようなものを感じて "本格ミステリー" という表現に興味を持ちました。そのうち、島田荘司氏や鮎川哲也氏の作品にも触れてみたいです。

しばらくは、館シリーズを読んでいこうと思います。次は水車館。