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綾辻行人さんの館シリーズ第3弾『迷路館の殺人』。いかにも仕掛けがたくさんありそう。

その名のとおり、建物の中が迷路になっている迷路館。当主は著名な推理小説作家。4月1日、その館で当主の財産を賭けた推理小説の競作が行われる。それは参加者たちが書く小説に見立てた殺人劇の幕開けであった…という話。

読み終えた率直な感想は「やられたー!」です。

話の途中で何となくわかってしまい、解決編を読みながらニヤニヤしつつ、"エピローグ" を読んで騙されていたことに気づいて呆然としました。「ミステリーいっぱい読んでるから、こういうのはだいたいわかるわー。」とか得意気になりながら読んでいた自分が恥ずかしい笑。

説明が難しいですが、作中作を読む形式で話が進み、事件の犯人とその作中作の作者を予想する2つの楽しみがあります。これがなかなか面白くて、自分としては両方とも解けたつもりだったんですが、見事に迷路に迷い込んでいたようです。

詳しくは触れませんが、シリーズ1作目の十角館から順番に読んでいる人ほど楽しめる設定だと思います。中村青司が設計した館に、お馴染みの島田潔が登場するので、3作目ともなるとやはりある程度は予想をつけて読んでしまいます。

そこで飽きさせず、このシリーズまだまだ面白くなりそうと思わせるのが凄いところ。

単純に「面白かった!」と言える作品なのですが、強いて言えば、叙述トリックの1つにちょっと納得が行かないところがありました。その点に関しては、真相を理解した上で読み返しても、やっぱり気づけそうになかったです。

十角館→水車館→迷路館と読んだので、館シリーズは少し休憩しようかと思っていましたが、もう既に次の人形館を購入してしまいました。こうなったら時計館まで一気に読んでしまおうかな。