アガサ・クリスティーの『オリエント急行の殺人』を読みました。2017年12月に映画『オリエント急行殺人事件』が公開予定なので、それまでに原作を読んでおきたかったんです。
探偵エルキュール・ポアロが乗車したオリエント急行の車内で殺人事件が発生。乗客全員にアリバイがある状態で、ポアロは犯人を見つけることができるのか、というストーリー。1934年に発表された作品で、ポアロシリーズとしては8作目だそうです。
この作品は、1932年にアメリカで発生したリンドバーグ事件を参考に構想されたそうです。解説にもありましたが、犯罪者や被害者に対する著者の考え方が色濃く反映された作品だと思います。
解けそうで解けない謎
乗客に事情聴取をする順番や質問内容、時系列の並べ方がすごくて、考えれば考えるほどわからなくなりました。それくらい周到に計算されていて、解けそうで解けない感じがたまらなく面白い。
以前に読んだ『そして誰もいなくなった』の方が難易度も高く衝撃を受けましたが、読んでいるときのわくわく感や読了感は『オリエント急行の殺人』の方がよかったかもしれません。(アガサ・クリスティー作品はまだこの2つしか読んだことがない)
真相解明後のポアロの対応
事件の真相も驚きですが、その後のポアロの対応については賛否両論あるようです。僕はいいなと思いました。今まで読んだミステリー小説(特に日本人作家)の中では、こういった作品はあまり読んだ記憶がないし、ある意味新鮮でした。なので余計に読了感がよかったんだと思います。
ポアロのキャラクターについてはまだあまり分かっていないので、次は『ABC殺人事件』を読んでみます。