『スキエンティア』というSF漫画を読みました。「スキエンティア」と呼ばれる"科学の女神像"がある街で、科学の力によって救われる人々の物語が7話収録された短編集です。第1話の「ボディレンタル」は世にも奇妙な物語でドラマ化されたそうです。
未来に予想される科学の発展を描いているというよりも、科学の力を借りたとしても、幸せに生きるためには人間性、人間らしさといったものが大切ということを描いたストーリー性の高い話が中心です。『AIの遺電子』が好きなら合うと思います。ちなみに、スキエンティア(scientia)はラテン語で知識という意味。
おすすめは、「ボディレンタル」「ロボット」「覚醒機」。
ボディレンタル
自殺願望のある女性が、とある求人情報(自殺願望者がターゲット)に応募し、高齢の女性に体をレンタルするという話。発想が面白かったのと、行動によって人は見違えるほど変わるという描写がよかったです。
ロボット
末期がんの診断を下された男性が、余生を送るために介護用ロボットをレンタルするという話。男性とロボットの生活に感動しました。
覚醒機
売れないミュージシャンが薬の力を借りて才能を覚醒させるという話。薬を使った人と使わなかった人との対比が描かれており、『スキエンティア』で作者が伝えたかったテーマが凝縮されているように感じました。