1995年公開の名作サスペンス『セブン』。七つの大罪をモチーフにした連続殺人事件の映画。
定年が近いサマセット刑事と新人刑事のミルズ。二人が駆けつけた現場には、スパゲッティに顔を埋めた肥満男の死体があった。さらに次の現場では死体の側に「GREED(強欲)」の血文字。七つの大罪に関連した連続性のある事件と判断するサマセット刑事は、ミルズと共に犯人を追うが…という話。
凄く有名な映画で、後味がよくないことは知っていましたが、ちゃんと見た記憶がなかったので結末には驚きました。途中から何となく読めるのですが、予想を一つ超えたというか、なるほどなーと妙に関心してしまいました。
犯人の計画性とその残忍さにショックを受ける内容ではあるのですが、ピエール・ルメートルの『悲しみのイレーヌ』を先に読んでいたので(このときのショックは大きかった)、実際はそこまで精神的ダメージはなかったです。あの作品は『セブン』に影響を受けているんでしょうね。間違いなく。
テーマのひとつとして "無関心" があります。平凡に暮らすには無関心である必要があるが、無関心を許容することで街の環境が悪化するというもの。この映画はいずれまた見返すと思いますが、サマセット、ミルズ、トレーシー、犯人それぞれの関心・無関心について考えながら見ると、もう少し深く作品を知ることができるのかなと思います。
犯人の詳細が語られないのも、この作品のメッセージが七つの大罪よりも無関心社会への問題提起に重きを置いているからかもしれません。日本とアメリカは文化が違うので一概に比較はできませんが、今の日本はどちらかというと必要以上に他人に厳しく、もう少し無関心になればいいのになと思うときもあります。
七つの大罪をモチーフにした発想や衝撃のラストだけで語るにはもったいない、結構深い作品だなという印象を受けました。
ちなみに、七つの大罪は「暴食」「強欲」「色欲」「傲慢」「怠惰」「憤怒」「嫉妬」の7つですが、もともとは「憂鬱」を加えた8つだったという説があるようです。『セブン』も見方によっては8つと捉えることもできそうです。
余談ですが、サマセット役のモーガン・フリーマンは『セブン』の前年(1994年)に『ショーシャンクの空に』に出演してますね。そういえば、割と最近に見た『エンド・オブ・キングダム』(2016年)や『最高の人生の見つけ方』(2007年)にも出てました。
ブラッド・ピットが出ている映画だと、『オーシャンズ11』(2001年)が好きです。『トロイ』(2004年)や『ジェシー・ジェームズの暗殺』(2007年)もよかった。
※2019年7月15日 追記
同じデビッド・フィンチャー監督×ブラッド・ピットの『ファイト・クラブ』と『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』も見ました。