CAMPFIREというクラウドファンディングサービスを運営されている家入一真さんの『なめらかなお金がめぐる社会。』を読みました。
資本主義に限界を感じ、より良い社会を実現するために「小さな経済圏」を広める活動をされている著者。いい社会とは何なのか、小さな経済圏とはどういうものなのか、それを実現するCAMPFIREとはどういうサービスなのかを解説されている本です。
便利だけど、生きづらさを感じてしまう世の中。自由に個人が活躍できる時代と言うけれど、何をしたらいいのか、どうやって始めたらいいのかわからない。そもそもお金がない。著者の、そんな人たちを応援したいという想いが伝わってきます。
小さな経済圏とは
著者は小さな経済圏を「個人や地域レベルで小さなつながりを持ち、支え合っているコミュニティ」と定義しています。企業ではなく個人が活動をするための小規模なコミュニティ。それこそが新しい生き方の鍵であり、資本主義をアップデートする(資本主義を否定しているのではなく、より良くするという考え方)ために必要なものだと説いています。
自分のやりたいことを気軽に発信することができて、それに共感してくれる人が居て、自分のペースで幸せに生活ができる居場所。そういう居場所こそが小さな経済圏であり、居場所作りに多少なりとも必要になるお金はクラウドファンディングで集めて、とりあえず小さく始めてみよう、という話です。
とりあえずやってみるとは言え
どうしても付きまとってくるのがお金の問題です。先日読んだ『お金2.0』にも書いてありましたが、人は次第にお金から開放されていくとも言われています。しかし、今すぐにというわけには行きません。まだまだ、何かを始めるにはお金が必要で、その度に「お金がないから」と言い訳をしてしまうことも多いです。
そこで、CAMPFIREのようなクラウドファンディングがもっと一般的になれば、まずはお金を言い訳に足踏みしてしまうことがなくなるかもしれない。そういう考え方は素晴らしいと思うし、共感します。
クラウドファンディングは少しずつ広まっている印象はあるものの、僕自身は試したことがないし、人からお金を支援してもらうという行為自体に抵抗があるのも正直なところです。逆に支援したことは何度かあって、そこにはあまり抵抗を感じないのですが、自分でやるとなると何故か一歩踏み出せません。
それはきっと、自分がこんなことやっていいのだろうか、どうせ誰も支援してくれないんじゃないか、変に思われたらどうしよう、みたいなネガティブな発想が付きまとっているからです。自分でも、それこそがお金よりも面倒な言い訳だなと思っています。
この本を読んで、そうではなくて、もっと小さくて良い、身近な人だけに共感してもらうだけで良い。そのために使いやすいサービスを作ってサポートするからとりあえずやってみてよ。そんな著者のメッセージを感じました。
最近、カンパを募るpolcaというサービス(これも家入さんのサービス)が開始されたので、まずはそちらを試してみるのもいいかなと思います。
参考 :
家入さんの対談記事「有名・無名にかかわらず、個人が声を上げられる社会をつくる。」
クラウドファンディング - CAMPFIRE(キャンプファイヤー)
polca(ポルカ)- フレンドファンディングアプリ