2010年公開の映画『ザ・ウォーカー』を観ました。レイ・ブラッドベリのSF小説『華氏451度』へのオマージュ作品だと思われます。
戦争で荒廃した世界で、お告げに従って30年間も一冊の本を守り、旅を続けるイーライ(デンゼル・ワシントン)。イーライの本を私欲のために狙うカーネギー(ゲイリー・オールドマン)から、イーライは本を守り切ることができるのか、という話。
一冊の本を守るという設定が面白そうだなと思って見た映画ですが、いろいろと設定が甘く、宗教色が濃いので好き嫌いが分かれそうな映画でした。荒廃した世界、焚書、本を守る、というキーワードをすべて宗教に振り切った感じです。ある意味潔くて、見方によっては面白いかも。
もうちょっと詰めてほしかった点
イーライが本を守る動機。あくまで「お告げ」なので、イーライ自信の考えというか、はっきりとした動機づけをしてほしかったです。イーライは幸せだったのかな?という疑問が出てきます。
なぜか強いイーライ。ナイフや銃の扱いが上手いのはまあいいとして、銃で打たれても平気な感じが謎でした。使命を全うするために守られている設定だと思いますが、違和感がありました。
本の守り方。意外性もあったのでよかったですが、華氏451度に寄せてる割にはちょっとお粗末というか、あまりSF感がなかったです。