1998年公開、ジム・キャリー主演のSFコメディ『トゥルーマン・ショー』。有名な作品ですが、あらすじも読まずに予備知識ゼロの状態で観ました。
とある離島で平和に暮らすトゥルーマン。幼いころに水難事故で父を亡くして以来、島から出ることは一度もなかった。ある日、町で父と思しき人物を見かけるが、周囲の異様な反応に違和感を覚える。そこには驚くべき秘密があった。真実を知ったとき、トゥルーマンはどうするのか…という話。
ネタバレは早々に
あらすじにバッチリ書いてある上に、映画が始まって直ぐにわかることですが、トゥルーマンは生まれたときから24時間365日、ずっと撮影されていて全世界にその様子が放映されています。つまり、トゥルーマンの人生そのものがテレビ番組というわけです。
島全体が超大型のセットで、町の人は全員が俳優。何も知らないのはトゥルーマンだけ。という、ホラーなSF感があります。それもそのはずで、映画のプロットにはフィリップ・K・ディックの作品(時は乱れて)を参考にされているそうです。
とはいえ、そこは流石のジム・キャリー。明るいキャラクターを見事に演じ切っているので、全然暗くなく、笑いありのコメディで楽しく観れました。
トゥルーマンはトゥルーマン
脚本とおりの人生を送ってきたトゥルーマンですが、異変に気づいてからの行動はプロデューサーにも読めないことが続きます。誰よりもトゥルーマンのことを理解していると思っているプロデューサーの戸惑いと、トゥルーマンが最後に取った行動に感動しました。
だからこそ、"視聴者"も感動したし、トゥルーマンを応援したんだろうなと思います。それが一層、警備員の「次の番組は何だ?」のセリフを際立たせていて、最高の終わり方だったように感じます。
満足度の高い映画ですが、欲を言えば、テレビ番組だということを(映画を観る人にも)最後まで隠したパターンも見てみたいなと思いました。それは小説の方が合っているのかもしれませんが。