uccidi-il-padre

本作の続編にあたる『死の天使ギルティネ』がなかなか面白かったので、シリーズ1作目の『パードレはそこにいる』も読んでみました。

ローマで発生した児童失踪事件。捜査にあたることになったコロンバは、失踪人捜索専門のコンサルタントであるダンテの協力のもと、事件を追い進める。少年時代を誘拐犯に監禁されて過ごした過去を持つダンテと事件の関係とは、そして次第に明らかになる事件の真相とは一体…という話。

話のスケールが大きくて難しい

一つの事件をきっかけにストーリーは進むものの、次第に複数の事件や過去との関連が明らかになり、話のスケールが大きくなっていきます。"パードレ"の正体も驚きですが、その目的もまた意外なもので、そういった面白さはあるものの、全体的には小難しくて読みづらい印象を受けました。

また、過去と現在を交互に描く構成なので、注意して読まないと少し混乱してしまいます。この構成は続編の『ギルティネ』でも同じでした。

コロンバがいまいち好きになれない

『ギルティネ』も読んだ上で改めて思うのが、コロンバのことがいまいち好きになれないということ。ダンテはコロンバに好意を抱いているようですが、『パードレ』も『ギルティネ』もなんだかんだでコロンバがややこしいというか、かなりダンテに迷惑かけているような気が…。

ダンテの性格はぶっ飛んでいるので面白いです。『パードレ』に関して言えば、ほぼダンテの言ったとおりに事件が進展するのがちょっと気になって、途中ダレてしまいましたが。

ちなみに、あれだけ"パードレ"の特徴を掴んでいて、事件にパードレが絡んでいるか、その人物がパードレかそうでないかを即座に判断できるダンテが、実際にパードレに会っていたときにまったく気づいていないのが不思議でならない。そのおかげで最後の驚きがあるのですが、ちょっと都合が良すぎるようにも感じました。

3作目は気になる

1作目で"パードレ"のことが明らかになり、2作目で"弟"のことが出てくるので、おそらく完結編となる3作目は気になります。ダンテがすべての真相を解明したとき、どういったことを考え、どういった行動をするのかが読みたい。